親知らずは抜歯した方がいい?

親知らずとは?

前歯から数えて8番目の永久歯のことを言います。永久歯は通常12歳頃にほぼ生えそろいます。しかし、親知らずは20歳前後の頃、他の歯より遅れて生えてくるのが特徴です。親知らずは全員に生えてくるわけではなく、先天的に存在しない場合は生えてこないこともあります。一番最後に生えてくるため、歯のスペースがない場合は90度横を向いた状態で生えてきたり、歯ぐきに半分被った状態になることも多く、そのために歯磨きが上手くできずに歯ぐきが腫れたり、虫歯になることが多くあります。

抜いた方がいい親知らず

◎噛むのが難しい場合◎

親知らずが上下どちらかのみに生えていると、噛み合わせが合わなくなってしまいます。そんなときは、抜歯を検討する必要があるでしょう。

◎親知らず周囲の歯茎の腫れを繰り返す場合◎

親知らずが中途半端に生えて清掃が難しい部位があると、歯周囲炎を起こす可能性があります。

一度智歯(親知らず)周囲炎を起こすと、症状が治まった後も細菌感染が残るため腫れを繰り返すようになります。

智歯周囲炎を繰り返すと、隣の歯を支えている骨が溶けるなどの悪影響も生じます。

◎親知らずが原因で手前の歯が虫歯になってしまった場合◎

親知らずが原因で手前の第2大臼歯に虫歯が発症してしまった場合、第2大臼歯の治療のために親知らずを抜く必要があります。親知らずが悪影響を与えている状況をそのまま放置すると、第2大臼歯の状態が悪くなりすぎて保存不可能になる危険性があります。

◎親知らずが歯並びに影響を与えている場合◎

親知らずが横向きになっている場合、手前の歯に後ろから押すような力がかかります。親知らずが手前の歯を強く押くことによって、歯並びが悪くなってしまうことがあります。

抜かなくてもよい親知らず

◎きれいに生えており歯として機能している場合◎

きれいに親知らずが生え、噛み合わせなどに問題がない場合、抜歯の必要はありません。また、状態のいい親知らずは、ほかの奥歯を何らかの理由によって抜かなければならない場合に、その部分へ移植できる可能性があります。

◎完全に埋まっている場合◎

親知らずが歯茎に完全に埋入していたり、一部だけ出ているが痛みがなかったりする場合は、抜歯を行わずに済む場合がほとんどです。

これらはあくまで一例なので親知らずが気になるときは、気軽に相談して下さい^_^‎

根面カリエスとは

根面カリエスとは、歯の根っこに出来る虫歯のことです。

根面カリエスは若い人には少なく、50代以降は多くなる傾向があります。
これは年齢を重ねるにしたがって、お口の環境が悪くなり歯周病が進行し、歯茎が下がるため、もともと虫歯になりやすい歯根が露出してくることが原因です。

歯に被せ物のがあっても、その下の根っこが露出していれば、被せ物の根元が虫歯になります。
歯と歯の間が連続して虫歯になることも多いです。

根面カリエス(根っこの虫歯)の治療法は知覚過敏の場合とほぼ同じですが、虫歯の進行が著しい場合は、抜髄や抜歯になってしまうこともあります。

予防としては、普通の虫歯予防と同じです。加齢により唾液の減りを感じたりドライマウスの方は、唾液の分泌を増やすより、原因の歯垢の量をできるだけ減らす方が予防として確実です。
そのためには、デンタルフロスや歯間ブラシなどを上手に利用することも重要です。

根面カリエスは、早く発見できれば小さく削って詰めるだけで済むことも多いので、定期検診などでの早期発見を心がけることをオススメします。

 

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8020運動

みなさんは「8020運動」を聞いたことがありますか。

これは80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという厚生省と日本歯科医師会が

推進している運動です。

80から84歳  85歳以上

平成05年 1993年 11.7                     2.8

平成11年 1999年 13                        4.5

平成17年  2005年 21.1                    8.3

平成23年 2011年    28.9                     17

平成28年 2016年 44.2                     25.7

令和04年   2022年 45.6                     38.1

達成者は増加しており、今後も増加すると思われます。

なぜ20本かというと親知らずを除く28本のうち、少なくとも20本以上

自分の歯があればほとんどの食べ物を噛み砕くことができる美味しく

食べられるから、ということです。

歯の本数は健康寿命にも関係すると言われています。

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思春期・青年期の歯と口の中の特徴とは、、、

◎12〜13歳ごろになると『第二大臼歯(12歳臼歯)』が生え、この年代で上下合わせて28本の永久歯が揃う。

◎ホルモンバランスの変化により、歯茎が腫れたり出血したりする歯肉炎が起こりやすくなる。

◎中高年になると塾や部活帰りなど外での飲食の機会が増え、食生活が不規則になる傾向がある。

 

⭐️思春期、青年期に注意したいこと⭐️

虫歯のリスクが上がる時期歯肉炎も増加

この時期は、部活で疲れて歯磨きをせずに寝てしまう、受験の為遅くまで勉強して夜食をとり、そのまま寝てしますなど、生活の変化によって虫歯や歯周病のリスクが高まります。

特にホルモンバランスの変化や生活習慣の乱れは、歯肉炎を起こしやすくなります。

さらに、受験などの精神的なストレスが重なると、歯肉炎から若年性の歯周病に進む場合もあります。

次のようなサインがあったら歯科医院を受診しましょう。

🔲全体的に歯茎の色が赤みを帯びている

🔲歯と歯茎の間の歯茎が丸みを持って膨らんでいる

🔲歯磨きで出血しやすい

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❄️セルフケアのポイント❄️

POINT1 生活習慣に注意する

朝食をきちんと食べない子や就寝時間が遅い子は虫歯が多いことがわかっています。

3食しっかり食べて、間食などをダラダラしないことの他、朝、晩、1日2回は必ず歯磨きをする重要性を本人が理解することが大事です。

POINT2 歯列のチェックを受ける

永久歯が生え揃ったら、歯科医院で歯並びや噛み合わせをチェックしてもらいましょう。

歯並びが悪いと歯磨きがじづらくなり、磨き残しのリスクが高まります。

また、噛み合わせが悪いと食事や発音に支障が出ることがあります。

乳幼児期の歯と口の中

・乳歯は3歳ころまでに20本生えそろう

・生え始めは生後6~8ヶ月、1歳ごろまでに上4本、下4本の前歯が生える

・乳歯のエナメル質は永久歯に比べて酸に弱いため、虫歯になりやすい

◎セルフケアのポイント◎

①歯が生えたら保護者磨き
最初の下の前歯が生えてきたら、保護者磨きを始めましょう。
ガーゼやコットンを指に巻き、赤ちゃんの歯をやさしくぬぐいます。
上の前歯も生えてきたら、歯ブラシを使って磨きましょう。

②3歳ごろから自分でも磨く
3歳を過ぎたら幼児用の歯ブラシを使って、自分でも磨く習慣をつけましょう。
自分で磨く場合も、保護者が必ず仕上げ磨きを行ってください。

●仕上げ磨きのコツ
・子供の頭をひざの上に
・子供のあごを手で支える
・歯ブラシのヘッドの大きさは年齢に合った
ものを
・毛先が歯と歯の間に入る適度な力で小刻み

虫歯予防にフッ素配合の歯磨き剤を使いましょう!
虫歯予防に最も重要な役割を果たすのがフッ素です。
フッ素は歯のカルシウムと結合し、酸に溶けにくくします。
また初期の虫歯を修復する効果があります。
歯科医院で塗布してもらうほか、家庭では、フッ素配合の歯磨き剤を使用するのが効果的です。
※年齢ごとに推奨される使用量や濃度が決められています。

●歯が生えてから2歳まで
フッ化物濃度→900~1000ppmF
使用量→米粒程度(1~2mm程度)

●3歳~5歳
フッ化物濃度→900~1000ppmF
使用量→グリンピース程度(5mm程度)

乳幼児期からかかりつけ歯科医をもち、虫歯予防のためにフッ素を塗布してもらうなど、歯医者さんに慣れておくことも大切です。

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咀嚼(そしゃく)でおいしさを感じよう!

咀嚼(そしゃく)で食べ物のおいしさがアップ!!

咀嚼(そしゃく)とは、口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうことです。

「よくかまない」「食べるのに時間がかかる」「偏食をする」という口腔機能の発達不全が近年目立つようになり、「口腔機能発達不全症」という新病名ができました。

むし歯や歯肉炎以前に、咀嚼が十分にできない子供たちがみられるようになったのです。

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咀嚼器官の障害がなくても、食事に支障が出て、発音や歯並びにも影響がでることがあります。
成長とともに少しずつ咀嚼運動機能を獲得していくステップが、有効に働いていないのです。
かむことが必要な食事が出てこなければいけません。一方で硬いものが出てきても、食べたくなくなるだけです。
十分に咀嚼して食べるためには、それがおいしさにつながっていかなければ長続きしません。

砂糖のストレートな甘みに慣れてしまうと、それ以外の微妙な味わいに関心が持てません。
ジャンクフードのようなはっきりとした油脂の味や甘みにばかり満足感を感じるようになります。
そのような食事が日常になると、むし歯や歯肉炎、肥満に始まる生活習慣病の入り口です。

咀嚼(そしゃく)で旨味体感・生活習慣◎・歯を守る

米や根菜類、野菜にわずかに含まれる甘みを咀嚼して食材の中にある「うまみ」を感じ取れるようにすることが大切です。

また、おいしさは、空腹の状態で食べることでも体験できることなのです。
「グーとお腹が鳴る」のは内臓が食事を受け付ける準備が整ったというサインであり、そのような体験ができる生活習慣を身につけることが必要なのかもしれません。

こういった小さな生活習慣を見直していくことが歯を守る大切な要素の一つ繋がります。

咀嚼で美味しさを感じよう

咀嚼を心がけ、味覚アップ・歯を守る正しい生活習慣へ♪

口呼吸から鼻呼吸へ

近ごろ、お口がポカンと開いている子供や若者が多いことに気づかれていますか?そのほとんどは、口で呼吸をしている「口呼吸」の人です。

本来、老若男女問わず人間の構造上、鼻から呼吸するようにできています。鼻から息を吸うことで鼻の繊毛や粘液でウイルスや汚染物質の侵入を防いだり、鼻で空気を吸うことで空気が体温近くまで温められたりしますが、口呼吸では冷たい外気のまま肺に届き、肺の免疫力が低下し、肺にかかる負担が増えて風邪を引きやすくなることがあります。せっかく加湿器や空気清浄機を部屋に備えていても、口呼吸をしていると口、気道、肺が乾燥し、その効力が薄れてしまいます。

また、鼻呼吸は口の中の唾液の分泌を促します。唾液の中には、ウイルスの活性化や感染力を抑制する物質が存在します。しかし、口呼吸で口の中が乾燥すると口の中や喉の奥にいる細菌が増殖し、それから出る酵素がウイルスを活性化させ、口臭や虫歯、歯周病に感染するリスクが高まります。

人は生まれてから、母乳を吸うことで鼻呼吸を覚えると言われています。しかし、離乳時期が早いこと、食べ物がやわらかくなったこと、指吸やアレルギー等が原因で口呼吸が始まると言われています。さらに幼少期から口を開けている時間が長いと、口周りの筋肉が弱くなるため歯並びが悪くなったり、上下の噛み合わせが開くようになったりします。さらに、口呼吸のまま成人すると、睡眠時無呼吸症候群になるなど、全身的な病気の心配も出てきます。

そうならない為には、お口周りのリハビリテーションが必要になります。ご家庭でも簡単にできる方法としては「あいうべ体操」があります。

・あいうべ体操・

1.「あー」と口を大きく開ける

2.「いー」と口を大きく横に広げる

3.「うー」と口を強く前に突き出す

4.「べー」と舌を突き出して下に伸ばす

1~4を1セットとし1日30セットを目安に行います。喋る時よりお口をしっかり大きく動かすことが必要で、最初は2、3度に分けた方が続けやすいです、入浴中に行うのをオススメします。体操をすることによって、舌や口の周りの筋肉を強化することができ、年齢を問わず鼻呼吸をして健康管理ができるとこが期待できます。

口呼吸の心配がある方はもちろん体操のやり方に興味がある方は、気軽にご相談下さい。

歯ブラシ交換の時期

みなさんが歯ブラシを交換する判断材料は何でしょうか

1ヶ月に一度や2から3ヶ月に一度交換すると決めている方もいると思います。

通常の歯ブラシの交換は、1カ月を目安にとして、少なくとも3カ月に1回は交換しましょう。

特に毛先が開いた歯ブラシ(歯ブラシを裏側から見て毛先が広がって見えた)や弾力性がなくなったら交換しましょう。

長く使い続けると

歯や歯茎を傷つける

虫歯や歯周病になりやすい

細菌が繁殖するということが起こりやすくなります。

ただすぐに毛先が広がるのは、ブラッシング時の力の入れ過ぎが考えられます。知覚過敏や歯茎が下がるといったことを引き起こすことがあるので注意が必要です。

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学童期の歯と口の中の特徴

学童期に注意したいこと

6歳臼歯を虫歯にしない

乳臼歯のさらに奥から生えてくる6歳臼歯(第1大臼歯)は、生涯にわたって食べ物を噛み砕く

中心の歯で、かむ力の60%程度を担っています。

顔を出してから生えきるまでに期間がかかり、その間に虫歯になりやすいので要注意です。

 

❤︎6歳臼歯 歯磨きのコツ❤︎

乳臼歯の奥から生えてくる6歳臼歯は、生え切るまでは他の歯よりも背が低く、

噛み合わせない為、汚れが残りやすくなります。

さらに歯ブラシの毛先が届きにくいという難点もあります。

あまり大きく口を開けずに、歯ブラシを横から入れれるように磨くのがポイントです。

口は大きく開けずに歯ブラシを横から入れて磨くのもポイントです。

 

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*セルフケアのポイント*

ポイント1

混合歯列期の歯磨きの方法

生え始めの背が低い歯は、最初に磨くようにします。

特に奥歯の溝の部分は汚れが溜まりやすく磨きにくい為、歯科医院で溝の深い部分を樹脂で埋める処理(シーラント)をしてもらうのも、虫歯予防の1つの方法です。

ポイント2

フッ素配合歯磨き剤の使い方

6歳になったら、フッ素配合歯磨き剤は大人と同じ量を使用します。

歯磨き剤が全体にいきわたるように2分間磨き、うがいは少量の水で1回のみがおすすめです。

一度試してみてくださいね(๑>◡<๑)❤︎

かかりつけの歯科医院を活用しよう

歯科医院でしか受けられない処置

歯面の清掃 (PMTC)
歯磨きでは取りきれない歯の付着物を専用のブラシ、歯磨き剤などを使って、機械的に除去、清掃することが可能です。

歯石の除去
歯垢が石灰化したものが歯石で、歯周病菌の温床となります。
除去するためには、「スケーラー」という器具を使った専門的な処置が必要です。

フッ素塗布
通常なフッ素塗布の他に、虫歯のハイリスクの方への高濃度フッ素剤の応用も実施します。

歯科医院でやってもらえること

①虫歯、歯周病のチェック

②歯茎のチェック

③歯磨き指導

④バイオフィルム、歯石をとる

⑤義歯の診査

⑥フッ素塗布

⑦歯科相談
(あごの痛み、かみ合わせ、口臭、味覚や舌の違和感など)

⑧口内炎、口の中の粘膜の病気チェック

年に3回~4回は定期的に歯科医院を受診し、健診や歯磨き指導などを受けること、クリーニングしてもらうことが大事です。
虫歯や歯周病は初期の段階で適切な治療を受けられれば、重症になることはありません。