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学齢期によく発生する歯の問題

 

人間の歯は、基本的には乳歯であれば全部で20本、永久歯であれば28本(親知らずを含めれば32本)生えてきます。

ですが、人によって歯の本数が少なかったり多かったり、歯の本数に異常がみられる場合も珍しくありません。

歯列の交換期の真っ最中である学齢期にこの問題がわかることが多いのです。
今回は歯の本数や、交換期の障害についてお話しします。

①歯が生えてこない

それぞれの歯には標準的に生えてくる時期が決まっています。
しかし、この時期は個人差というものがかなり幅広いのです。
他の子は生えているのに、、、、、と心配する親御さんも多くいらっしゃると思いますが、多少の時期のズレなら様子を見ていただいても構いません。
ただ、時期のズレから起こるものと、歯胚(しはい)と呼ばれる歯のたまごが先天的に欠如していることから起こる可能性もあります。
この場合は歯のたまご自体がないため、歯が生えてくることはありません。
歯胚の有無はエックス線撮影をすることでわかります。
特に親知らず、小臼歯(しょうきゅうし)、下顎の前歯は先天的に欠如している可能性があります。
また、乳歯の歯根が待機している永久歯にうまく吸収されない場合も生えかわりが遅くなる原因の一つです。

 

②歯の数の異常(歯の数が少ない・多い)

歯の数は、お母さんのお腹の中にいる時から決まっています。
歯胚(しはい)の数は、この胎児期に決定されているのです。
歯の少ない場合は前述したように歯の交換に影響が出てきます。
永久歯に生え変わらないということは、乳歯が大人になってもそのまま残っているという状態になります。
多くの場合、定期検診などで経過を見つつ、必要であれば抜歯処置や、歯の欠損を補うための補綴処置が必要です。
もちろん乳歯自体に問題がなければ、そのまま使っていただきます。
歯の数が多い場合には過剰歯(かじょうし)と呼ばれており、上の前歯に見られることがあります。
噛み合わせ、発音や食事、審美的に問題がなければ放置していても特に問題はありません。
しかし、永久歯の萌出に影響がでる場合は、外科処置で除去が必要になることもあります。

 

③歯茎が腫れる・歯茎にできものができる

大人でも歯茎が腫れたりできものができたりすることはありますが、学齢期特有の炎症が起きているかもしれません。
たとえば、歯の生え変わりや萌出の際にできる腫れ、できものであったり、ホルモンバランスの乱れや生活の変化により起こる思春期性歯肉炎(ししゅんきせいしにくえん)と呼ばれる思春期に起こりやすくなる歯肉炎もあるのです。

 

このように、学齢期に起こりやすい歯やお口の中の問題はたくさんあります。
お子さんの仕上げ磨きをしているときや、ふと気づいた時はびっくりしてしまいますよね💦
もし気になることがあれば、歯科医院で、医師に相談してみてくださいね😊

 


シーラント

お子さんの虫歯予防のために6才臼歯(6才頃に生える大人の歯)の溝を予防として埋めるという処置があります。その処置をシーラントと言います。

簡単に言うと虫歯になる前の健康な歯を削らずに、奥歯の噛みあわせの部分にプラスチックを埋め込んで、その部分を虫歯予防しようという方法です。

歯には細かい溝があります。細かい溝は歯ブラシが当たりにくいため虫歯になりやすいです。6才臼歯は完全に生えるまで時間がかかり、食べものが残ったままになります。

もし、虫歯になってしまい、その虫歯が深いと詰め物などの処置になりますので、虫歯になる前に健康な歯にシーラントをすることで汚れが入り込む心配が少ないです。

ただ、シーラントをしたからといって虫歯にならないわけではないので、定期健診でフッ素を塗ることによりお口全体の虫歯の予防が効果的です。

一番大切なのは毎日の歯磨きなので、お子さんが小さいうちはお母さんの仕上げ磨きが重要です。


入れ歯のお手入れについて

誰でも毎日歯磨きするように、入れ歯も毎日のお手入れが大切です。
では、あなたのお手入れは間違っていませんか?

食べた後の食器を洗剤に浸けるだけの人はいないでしょう。
同様に、入れ歯を洗浄剤に浸けるだけでは不十分です。
入れ歯には食べ物の汚れに加え、口の中にいる細菌や唾液の成分が混ざり合い、食器以上に頑固な汚れが付いています。
それを取り除くには、入れ歯を機械的かつ化学的にお手入れする必要があるのです。

まず機械的なお手入れとは、入れ歯専用ブラシによる手洗いです。流水もしくは入れ歯用磨き剤で洗います。
その際、目に見える汚れが無くなるまで洗いますが、
高齢で視力に不安のある方は、指触りでヌメヌメ感が無くキュキュッとする感じを目安に磨き、
手先に不安のある方は、家庭用超音波洗浄機に数分浸けるのも良いでしょう。

次に化学的なお手入れとは、入れ歯洗浄剤による除菌です。
これは、見えない細菌を取り除くことが目的ですので、見える汚れを機械的に取り除いた後に使用してこそ効果が発揮されます。
そこで、除菌効果のある入れ歯用の磨き剤を用いて手洗いすれば、機械的かつ化学的なお手入れを同時に行う事ができ、また家庭用超音波洗浄機と入れ歯洗浄剤を併用することでも、同様の一石二鳥の効果があります。

また、唾液の減少による口腔乾燥症も、入れ歯の汚れを助長し、さらに入れ歯の安定を悪くして痛み起こしやすくします。
そこで、ジェルタイプの保湿剤やクリームタイプの入れ歯安定剤を使用すると、そういった不具合を改善してくれます。

このように、ご家庭でのお手入れは、入れ歯を長持ちさせるだけでなく、お口全体の清潔や残っている歯の健康維持、口臭予防そして肺炎予防に絶大な効果を発揮します。

しかしながら、防ぎきれない入れ歯の材質内への細菌浸透もありますので、歯科医院での定期的なチェックは必須です。