日別アーカイブ: 2023年3月29日

治療した歯の材料がはずれてしまった

むし歯の治療を行う時に一番大切なことは、むし歯菌に侵されてしまった感染部分を確実に取り除くことです。

それとともに、これから行う詰め物や被せ物(修復物)がはずれたり壊れたりしないように、そしてまわりに残された歯の組織が壊れないように工夫して削ることを行います。
そうやって削られた部分にビッタリと合った修復物を強力なセメントで接着させることで、歯と修復物が一体化されます。

しかし、歯は上下で噛み合うたびに人間の体重と同じくらいの圧力がかかります。
また、餅やキャンディーなど粘着力が強いものを食べる時には、歯から修復物を引きはがそうとする力もかかります。
そのためセメントは徐々に溶け、歯と修復物と接着部分が壊されてしまい、結果として修復物がはずれてしまうことがあるのです。

もし修復物がはずれてしまったら、はずれた修復物か曲がったり折れたりしないように、プラスチックのケースなどに入れて歯科医院を受診しましょう。
その時に、ティッシュペーパーや綿花などにくるんでしまうと、繊維がこびりついてしまい、取り除くのが大変になってしまいます。気を付けてください。

新たなむし歯もできておらず、修復物がピッタリと収まる場合には、再度つけ直すことも可能です。

一方、歯が欠けてしまったり、新たにむし歯ができてしまっている場合や、修復物がピッタリと収まらない場合には、残念ながら削り直しや作り直しが必要となります。

もし作り直しになるとしても、受診の時にはずれた修復物を、持参していただけると、なぜはずれてしまったのかを考える上でとても参考になるので、処分したりせず、必ず修復物を持参し受診することが大切です。

あと、修復物が全くずれない人とあちこちの修復物が度々はずれてしまう人がいます。
これは削り方やセメントなどに問題があるのではなく、多くの場合で、噛み合わせの力が原因となっていることが多いように思います。
つまり、歯ぎしり癖のある人や、食いしばりがある人などは、歯や修復物にかかる噛み合わせの力によって、ひずみが発生し、修復物がはずれやすくなってしまうのです。

詰め物がはずれてしまった時は、すぐに歯科医院へ受診し相談、治療しましょう。