日別アーカイブ: 2023年5月14日

歯が痛い

虫歯は、細菌の作る酸によって歯が溶ける病気ですが、細菌は酸ばかりでなく毒素も作ります。
その有害物質が神経に影響を及ぼして炎症が起こります。
初期の段階では知覚過敏と同様に、以前はしみなかった刺激に対してしみるようになり、さらに神経が破壊され始めると、なにもしなくても痛みを生じ、神経の中で腫れがおこりますが、歯がふくれることはないため中の圧力が上昇し、鼓動のような激しい痛みとなります。
この状態では温度が上がる(熱い物が口に入る) と圧力は増加するため痛みは激しくなり、逆に冷える(冷たい物が口に入る) と圧が下がるため痛みは減少します。
神経が破壊されると、根の先に血管や神経の出入りしている孔があり、そこを通して破壊が根の先端の骨に及ぶと、歯を噛み合わせたり、おさえたりするだけで、その部分が圧迫され痛みを生じます。
さらにそこに膿がたまると根の先端部分の歯茎が腫れたり、そこから膿が出てきます。

ですが、歯が痛むときは虫歯だけではないのです。

歯の痛みにも
①冷たい物や温かい物で痛む

②何もしなくても痛む

③噛むと痛む

など痛みを感じる状態によって原因も異なります。

①の症状は、神経が生きていてエナメル質(1番外側の歯質)が削れて、象牙質(エナメル質の次の歯質)が露出している状態で起こるため、虫歯以外でも歯ブラシや噛み合わせが強くエナメル質が削れたり、亀裂や破折、詰め物が欠けた場合にも認められます。

②の症状は、神経が死にかけている場合に起こることが多く、虫歯以外の原因として、知覚過敏のダメージが大きい、亀裂が神経まで達している、歯周病が進行し細菌が根の先の穴から神経に感染することもあります。
歯以外では歯茎の炎症や傷の痛みが強い場合は歯が痛いように感じることもあります。

③の症状は、歯を支える骨や歯茎に問題がある場合で、虫歯のほかに歯周病で歯の周囲に炎症がおこっていたり、歯を支える骨が減少し噛む力に耐えられない場合、歯が破折しているなどがあります。
また、歯を支える歯周組織が健康でも、過度にその歯に強い力が加わると(歯ぎしり、くいしばり)などもその負担に耐えられなくなり、痛みを感じる場合もあります。

お口の中の異変は、すぐには気付きにくいものです。
痛みが出たときには、虫歯や歯周病がかなり進行していたりということもあります。
定期的に歯科健診を受け、早期発見、早期治療しましょう。