子供の歯(乳歯)は大人の歯(永久歯)に比べると、歯質が柔らかいのが特徴です。また、歯の一番表面にあるエナメル質も永久歯の約半分しか厚みがありません。
そのため、一度虫歯ができてしまうと進行が早く、さらには神経に到達してしまうスピードも早いです。そのため「永久歯が生えてくるし、乳歯が虫歯になっても大丈夫」と軽く考えてしまうのは危険です。
乳歯が虫歯により失われてしまうと、そのスペースに歯が寄ってきてしまい歯並びが悪くなります。また、虫歯菌が増えて永久歯も虫歯になりやすくなったりします。
子供の頃は大人以上に虫歯予防に力を入れることが、健康で丈夫な永久歯を作る為に大切なことです。そこで歯科医院がお子さまの虫歯予防としておすすめしているのが「フッ素塗布」です。
・フッ素塗布を開始する時期・
フッ素塗布を始める時期は、赤ちゃんの上下の歯がそれぞれ4本ずつ生え揃ってきた頃です。人にもよりますが、1歳半程度で上下4本が生えそろってくるので、1歳半程度になったらフッ素塗布を考えてあげましょう。
フッ素塗布は、歯が生えて間もない頃が最も効果が高いため、お子さんの歯の成長状況をみながら判断してあげてください。
<歯科医院でのフッ素>
歯科医院で行われれるフッ素塗布に用いられるフッ化物は、含有基準が9000ppmのものまで可能とされています。家庭用の最大値よりも高濃度のフツ素塗布が可能で、歯質に摂り込まれた成分の持続効果が3~4カ月程度と言われています。年に3、4回の塗布で効果を発揮するため定期検診で来院されたタイミングでの塗布がおすすめです。
<家庭用のフッ素>
含有フッ素濃度が1500ppmとなっています。お子さんの場合、2歳までは500ppm以下、6歳未満は1000ppm以下が望ましいとされています。もしもご家庭でお子さんが誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないよう含有濃度が薄く、そのため毎日使用することで効果があるように作られています。歯磨き剤に含有されていたり、ジェルやスプレータイプで、歯磨き後にフッ素を再度歯面に塗布するものなどさまざまな商品があります。お子さまが無理なく、日常的な生活習慣の中でフッ素を取り入れることができるものを選ばれると継続しやすくなりますよ。
フッ素塗布をすることで、お子さんの虫歯になりやすい歯を守ることができるのです。虫歯になって歯を削ることになるほうが、お子さまへの身体的・精神的負担が大きいと思います。
歯みがきを嫌がるお子さまや、甘いものが好きなお子さまは、ぜひフッ素の効果を活用して虫歯になりにくい丈夫な歯を育てて行きましょう!