月別アーカイブ: 2024年3月

歯科調査結果続き

 う歯を持つ人
5〜11歳  乳歯にう歯をもつ者の割合は、15~35%程度
5〜9歳    永久歯  で処置歯または未処置のう歯をもつ物の割合は 3%以下
25歳以上                                                                                80%以上
特に45〜49歳、55〜59歳、65〜69歳では100%に近い 
過去の調査と比較 5〜34歳では減少
                           55歳以上では増加
 う蝕予防に関わるフッ化物応用の経験のある者
全体の59.4%
そのうちフッ化物塗布の経験あり 13.1%
           フッ化物洗口の経験あり  3.2%
           フッ化物配合歯磨剤使用の経験あり 52.4%

子供の虫歯は減っているが大人の虫歯は減っていないことになり特に初期の虫歯を見つけるためには検診を受けましょう。


フッ素塗布で虫歯予防

子供の歯(乳歯)は大人の歯(永久歯)に比べると、歯質が柔らかいのが特徴です。また、歯の一番表面にあるエナメル質も永久歯の約半分しか厚みがありません。
そのため、一度虫歯ができてしまうと進行が早く、さらには神経に到達してしまうスピードも早いです。そのため「永久歯が生えてくるし、乳歯が虫歯になっても大丈夫」と軽く考えてしまうのは危険です。
乳歯が虫歯により失われてしまうと、そのスペースに歯が寄ってきてしまい歯並びが悪くなります。また、虫歯菌が増えて永久歯も虫歯になりやすくなったりします。
子供の頃は大人以上に虫歯予防に力を入れることが、健康で丈夫な永久歯を作る為に大切なことです。そこで歯科医院がお子さまの虫歯予防としておすすめしているのが「フッ素塗布」です。

・フッ素塗布を開始する時期・

フッ素塗布を始める時期は、赤ちゃんの上下の歯がそれぞれ4本ずつ生え揃ってきた頃です。人にもよりますが、1歳半程度で上下4本が生えそろってくるので、1歳半程度になったらフッ素塗布を考えてあげましょう。
フッ素塗布は、歯が生えて間もない頃が最も効果が高いため、お子さんの歯の成長状況をみながら判断してあげてください。

<歯科医院でのフッ素>

歯科医院で行われれるフッ素塗布に用いられるフッ化物は、含有基準が9000ppmのものまで可能とされています。家庭用の最大値よりも高濃度のフツ素塗布が可能で、歯質に摂り込まれた成分の持続効果が3~4カ月程度と言われています。年に3、4回の塗布で効果を発揮するため定期検診で来院されたタイミングでの塗布がおすすめです。

<家庭用のフッ素>

含有フッ素濃度が1500ppmとなっています。お子さんの場合、2歳までは500ppm以下、6歳未満は1000ppm以下が望ましいとされています。もしもご家庭でお子さんが誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないよう含有濃度が薄く、そのため毎日使用することで効果があるように作られています。歯磨き剤に含有されていたり、ジェルやスプレータイプで、歯磨き後にフッ素を再度歯面に塗布するものなどさまざまな商品があります。お子さまが無理なく、日常的な生活習慣の中でフッ素を取り入れることができるものを選ばれると継続しやすくなりますよ。

フッ素塗布をすることで、お子さんの虫歯になりやすい歯を守ることができるのです。虫歯になって歯を削ることになるほうが、お子さまへの身体的・精神的負担が大きいと思います。
歯みがきを嫌がるお子さまや、甘いものが好きなお子さまは、ぜひフッ素の効果を活用して虫歯になりにくい丈夫な歯を育てて行きましょう!


歯は健康のバロメーターです!

「歯は健康のバロメーター」として、全身の健康状態を推し測ることができます!

人の体は外界から異物が入ってこないようにする防御機構があります。
歯の表面はエナメル質で覆われており、歯茎の周りは上皮で覆われています。
しかし細菌によってその防御機構が破られると、エナメル質に侵入し、歯髄(俗にいう歯の神経)に炎症が起き激痛をもたらします。
やがて細菌は歯の根の周囲に住み着き、増殖をしながら慢性の病巣を作ります。
歯周病も歯茎の周囲に細菌が住み着き、この細菌が出す抗原が血液の中に移行して、歯や歯茎と関係のない遠い場所の臓器に移ってしまい、病気になってしまうことがあります。
たとえば…
心内膜炎・心筋炎・リウマチ・慢性多発関節炎・虫垂炎・胆嚢炎・気管支喘息・腎臓炎・眼科疾患など…
アメリカのある大学教授は「歯周病の患者さんは、そうでない人と比べて心臓病になる確率が25%高く、肺炎などの呼吸器系の病気も多発し、糖尿病や動脈硬化、早産の危険性も高くなる」と警告しています。

歯石(特に歯と歯茎の間の歯周ポケット内に付着する歯肉縁下歯石)を放置していると、歯茎が炎症を起こし、常に小さな出血が口の中で続いている状態になります。
一部の歯周病菌は、この血液成分を栄養として毒素を出します。
この毒素が歯周病を進行させるだけでなく、血液の中に移行して全身に周り、心筋梗塞・糖尿病・アルツハイマー病などのリスクファクターになるといわれています。

人の寿命が延びて、高齢者の健康問題がクローズアップされていますが、ある統計では「アルツハイマー型認知症の患者さんのうち、70%以上が自分の歯をほとんど失っている」という結果が出ています。

虫歯と歯周病は老若男女、ほとんどの人がかかる病気です。
歯を磨かなかったら(・・;)といってすぐに病気にかかるわけではありませんが、重大な病気にかかるのを防ぐためにも、はの健康には気を配りましょう!